2011.01.02 Sunday
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5%の緻密な計算と95%の思いつきで綴る、日々の雑感。
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2006.12.05 Tuesday
偶然の隣人
隣の人の顔さえ知らずに、毎日ただすれ違うだけ。
それが、ここ東京で暮らすためのルールである。 そんな心渇いた街で、その日もオレは終電間際の列車に乗り込み、 帰宅の途についていた。 今日はちょっとだけ電車が空いている。 座席にゆっくりと腰を下ろし、しばらくぼんやりしていた。 渋谷駅で、オレの隣の席に人が座った。 顔はよく見えなかったが、体型がやや小太りの学生風の男。 とたんにオレの場所が狭くなった。 しばらくしてふと視線を横にやると、その小太りの男が携帯でメールを打っている。 そしてこの歳にしていまだに裸眼で視力1.5のオレは、 計らずもその文面を読みとってしまった。 ≪どうも〜、巨泉です!≫ …見てえ。 どうしても、こいつの顔を真正面から。 2006.02.26 Sunday
焼きいもレボリューション
♪石や〜き〜いも〜 や〜きいも〜
毎年、寒い季節になると街に響きわたる風物詩。それが石やきいもの移動販売である。 この魅力的な声に、心知れず足を止めてしまう人も少なくないだろう。 ところがそんな焼きいも界にこの冬、どうやら異変が起こっているようなのである。 そう、JR中央線の武蔵境駅南口に出没する焼きいも屋だ。 この焼きいも屋、呼び込みの ♪石や〜き〜いも〜 の声に、ものすごく、ものすご〜くコブシを効かせているのである。 あえて文字にしてみるならば、 ♪いぃいぃしやぁあぁあぁきいもぉおぉぉ やぁきたてぇえぇえぇ やぁきいもぉおぉおぉ まあこんな感じで、この強烈なこぶしのまわし方には、恐らくサブちゃんもビックリである。 サブちゃんといっても、石倉ではないので念のため。 そして先日、さらなる展開が起きた。 2006.01.28 Saturday
右側に気をつけろ(後編)
(前編からの続き)
3つ並ぶ小用の便器の一番左が使われていたので、オレは真ん中を選ぶ。 と、すぐに右側の便器にも人が入ってきた。 数秒後。 用を足しながら、オレは並々ならぬ空気を感じた。 そして右の方にちらっと目をやった瞬間、思わずハッと息を呑んだのだった。 み、右側の男がオレの局部を凝視している! それも激しく身を乗り出して!! はじめは、オレの足元になにか落し物でもしたのかと思った。 が、推定20代前半の気弱そうなその若い男の視線をたどると、 ヤツの熱い眼差しは、どう見てもオレのあの部分に注がれているのだった。 こ、こ、こ、これは一体、ど、どうしたことか…! 冷静に、冷静に、冷静に。 自分にそう言い聞かせながら、まずは一言。 「おい、何見とんじゃ、ゴルァ!」 一瞬、相手はひるんだようだった。 だが、この直後オレは、予想だにしなかったヤツの発言によって 最大の攻撃を浴びることとなる。 2005.12.30 Friday
右側に気をつけろ(前編)
そういえば、オレ自身も忘れていた。
そう、“シリーズ「迷走する愛と性」”のことである。 2004年9月、まさに社会現象真っ只中だった「冬ソナ」や 当時はまだブームに火が点く前だった「電車男」のような 純愛路線に反旗を翻すかのように、 4話オムニバス形式で掲載する予定だったこのシリーズ。 気がつけば、結局これまでに3話分しか発表していない。 という訳で、いよいよ最終話を掲載することにしよう。 ちなみに、1〜3話のラインナップはこんな感じ↓だった。 2005.09.16 Friday
愛がすべてさ 今こそちがうよ
今年は衆議院議員選挙のせいで、日本の主要メディアでは
さほど大きく取り上げられることもなく過ぎていったニューヨークの9.11。 だがこの時期になると、オレにはどうしても思い出してしまうテレビ番組があるのだ。 今から3年ほど前のことだっただろうか。 その夜、オレは部屋でひとり、特に観たい番組がある訳でもなく リモコンを適当にいじりながらなんとなくテレビを観ていた。 すると、ハウント・ドック(検索対策)が当時のメンバー全員で 音楽情報番組に出演しているではないか。 あまりテレビで見かけない人たちだけに、珍しいなと思いながら思わず手が止まる。 もっとも、オレは大モト康平(検索対策)の顔くらいしか判らないので、 後ろのメンバーが一人くらいJAYWALKと入れ替わっていても、多分気付かなかっただろう。 司会の男が、横に座っている大モト康平に話を振った。 「ところで大モトさんは、今回の曲を制作するにあたって、 実際にグラウンド・ゼロにまで行かれたそうですね?」 それを受けた大モト康平は、持ち前のロック・スピリッツで熱く語り出すのだった。 2005.06.07 Tuesday
霊視鑑定の午後(後編)
後編はノンフィクションでお届けします。
はじめに、簡単なパーソナル・データ(名前、生年月日、職業、家族など)を 申告してから鑑定開始。 オレ本人は、“おててのしわとしわをあわせてしあわせ”の状態で目を閉じて黙ったまま。 男がオレの守護霊と会話をすることで、状況を探っていく。 そして、出た結果がこれ↓ 2005.05.31 Tuesday
霊視鑑定の午後(前編)
「ここに来たのは、どなたのご紹介で?」
「はい、天照大御神の生まれ変わりと、 あとは凡人も大凡人、木を加えたら大木凡人。この2名です」 社内のごく一部で、にわかにブームとなり始めている霊視鑑定。 週末の午後、オレは南青山のとあるオフィスで、 霊能者を名乗る男を目の前に、静かに椅子に座っていた。 「では何から見ましょう?」 「そうですね…、実は今日ここまで来るとき、やけにラメの服を着た 女性を大勢見かけたのですが。それには何か意味があるのでしょうか?」 「それでは、ちょっと見てみます」 男はおもむろにろうそくに火を点け、数珠を取り出し祈祷を始めた。 そして、それら一連の儀式を済ませたあとで、 オレを凝視しながら穏やかな口調でこう語り出したのだった。 2004.10.31 Sunday
2丁目から3丁目へ(後編)
(中編からの続き)
前方には信号機、後方にはオヤジ。 もはや逃げ場のないオレは、信号待ちをしている群集に紛れて そっと身を潜める以外に方法はなかった。 それにしてもこういう時にこそ、信号はなかなか青にならないものだ。 こうやって信号待ちをしている間にも、 オヤジはオレの方へ一歩一歩近づいてきているのだろう。 そんなことを考えながら、ふっ、と右を見ると… !!!!!!! もうオヤジはすぐ隣に来ているではないか! 2004.10.18 Monday
「2ちゃんねる文学」の開花前線
「2ちゃんねる」を掘り起こしてみると、先日触れた「電車男」以外にも
面白い話は結構転がっているものである。 いよいよ「2ちゃんねる文学」が開花する時代が来たのだろうか? 下の2本、多少の脚色はあるだろうが、一応ノンフィクションってことらしい。 元々ドキュメンタリー好きなオレにしてみれば、 下手な小説よりこっちの方がよっぽど興味を持って読んでしまう。 しかしみんな文才あるよなぁ。 ◎ぼくとオタとお姫様の物語 まとめサイトはコチラ クリスマス・イヴにデートの相手として買った女の子。 ◎漏れのスウィートヤングメモリーを聞いてくれ まとめサイトはコチラ (←左フレームから、一番上の「24」を選択) 西野は、友人に引っ張られながら、女子体操部の練習を 2004.10.17 Sunday
2丁目から3丁目へ(中編)
(前編からの続き)
一方、そんなオレの心配をよそに、オヤジの方はといえば、 すでにオレの袖を引っ張るまでに距離を縮めていたのだった。 い、いつの間に…。 次の瞬間、オレの脳中枢に緊急指令が下された。 “なんとか振り切れ” が、次のオヤジの一言が、事態を思わぬ方向に急転回させた。 「ねぇ、頼むよぅ。一緒にあっち行こうよぅ。千円あげるからさぁ」 せ、せ、せ、千円!? 数年後には女子高生の使用済パンツに4千円だの5千円だのという 値段がつけられようかというご時世に、オレ本体がたったの千円!? オレという人間は、女子高生のパンツにも及ばない経済価値の男だったのか…。 そう思うと、気持ちも一気にガクーンと沈む。 もはやライヴの余韻など微塵もなく、上機嫌だったオレのエネルギーは すべてギラギラと輝くこのオヤジの瞳に吸収され、 いまやオヤジこそが上機嫌なのだった。 |
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